いまや、お母さんたちのつくるメニューをみると、スプーンやフォーク1本で食ぺられるものばかりです。


・・・しかも、テレビをみながらスプーンを口にはこんでいるような状況です。


また、いまのお母さんたちは、根菜には、泥がついていたり、皮をむかなければならないので、めんどうがってなかなか調理をしないようです。


れんこんなどは、お正月に酢のものとして少しだけ食べるというぐあいです。


ところが、これらの根菜類には、体をあたためる栄養素が多く含まれています。


そのうえ、地中のミネラル類を吸収している食物でもあるので、子どもが好きでないからといって、食事から遠ざけてもらいたくない貴重なものなのです。



私たちは、ご飯、みそ汁、副食を順々にまんべんなく食べていくのが、本来の日本人のマナーであると教えられたのですが・・・


しかし、そのマナーも最近急速になくなってきました。


好きなものだけを集中的に食べて、あとは残してしまうのです。


ちょうど私が参観したその日のメニューは牛乳、グラタン、わかめのサラダ、プラムでしたが、グラタンにはおかわりの行列ができたのに、サラダ、プラムは人気がなく、プラムにいたっては、黒くて気味が悪いと残す生徒がたくさんでていました。


食事をきちんとしないと、小さいころから集中力を養うことができません。


箸をじょうずに使うということだけでも、集中力が養われるのです。


私たちの小さいころは、おばあちゃんに、


「ご飯はお百姓さんが汗水たらしてつくってくれたのに、残しては目がつぶれるよ」


・・・としかられるので、ご飯数粒でも一生懸命お箸でつまんで食べたおぼえがあります。


女子中学生のダイエットが問題になっています。


ご飯を残す、パンを捨てる、サラダだけしか食べない・・・


親にかくれて各種のダイエットフーズを自分で買い求め、自分の部屋のなかでポリポリとかじる・・・


このような状況はけっしてみのがしてはなりません。


さらに思春期というもっとも精神的に不安定な時期に、こうした不健康な食生活をしていると、ストレスに弱い大人になってしまうことを知るべきです。


さて、私は以前、ある小学校1年生のクラスの給食の時間を参観したことがあります。


子どもたちが、給食をどのように食べるかを観察してわかったのは、彼らは、いちばん好きなものから順に食べていくことです。


きらいなものを残しても、家に帰れば好きなものが食べられるので平気なのです。



環境と調和した持続可能な経済・・・


将来の世代の展望を危うくすることなく現在の必要を満たすような経済とは、まるで逆のことをしているのです。


経済学者のハーマン・デイリーに言わせれば、


「まるで破産企業を整理するように地球を扱うのは、どう見ても間違っている」


・・・ということになります。


このアナロジーを借用して言えば、こうしたやり方は、ちょうど大企業が、ずさんな経理体制を悪用して、毎年ひそかに少しずつ工場を売却しているようなものです。


その結果、資金繰りは順調で、利益も上がります。


株主は年次報告書を見て満足するでしょうが、実はその利益が会社の資産食いつぶしから生じていることに気づいていません。


しかし、工場がすべて売却された段になると、経営者は株主に対し、彼らの持っている株が何の値打ちもないことを説明しなくてはならなくなるでしょう。


・・・実際、私たちが地球に対して行っているのは、このようなことなのです。


同じ意味で不完全な計算方式に寄りかかって、私たちは生産資源を枯渇させ、子孫の犠牲の上に立って現在の必要を満たそうとしているのです。

ポーランドでは、少なくとも半数の河川が工業用水としてさえ利用できないほど汚染されています。


こうした地球環境の変化は、この惑星の生物学的多様性にも壊滅的な打撃を与えつつあります。


1980年代を通じて動植物の種がどれほど消滅したかは誰にもわかりません。


しかし、指導的な生物学者たちは、今後の20年間で、地球上の5分の1の種が姿を消すのではないかと推定しています。


彼らが懸念するのは、このようなペースで絶滅の傾向が続くなら、いつか全面的なエコシステムの崩壊が起きるだろうということです。


広く用いられる一組の指標が一貫して肯定的なのに、もう一組の指標が一貫して否定的だというようなことがありうるのでしょうか。


経済指標が強気である理由の一つは、国民総生産(GNP)の数字をはじき出す国別の計算方式が、環境に対する負債をまったく見過ごしているからです。


世界経済の実態は火の車なのです。


あらゆる経済の分野で、私たちは驚くべきスピードで自然資本を食いつぶしています。


株価が記録的な高値をつけたこの10年に、気温も同じような動きを示しました。


100年以上の歴史を持つ観測史上において、80年代はもっとも高い気温を記録した10年となりました。


気温の上昇がとりわけ目立ったのは北アメリカ西部とシベリア西部です。


90年の気候データの速報値によると、この年は記録史上もっとも暖かい年となり、北半球の積雪は70年に衛星観測が始まって以来、もっとも少なくなると見られています。


大気や水の汚染も、過去10年のあいだに、世界中で進行しました。


1990年までに、何百もの都市で、空気中の有害物質が健康を脅かす汚染レベルにまで達しました。


北アメリカやヨーロッパ、アジアの広範な地域では、農作物も同様に被害を受けています。


アメリカ合衆国では全般的に水質汚染は改善されたが、88年の環境保護庁(EPA)の報告によると、39州の地下水に農薬が含まれていたといいます。

代表的な経済指標がきわめて肯定的であるのに対し、おもな環境指標は、すべてが否定的な数値を示しています。


たとえば農地を広げるには森林を伐採しなければならなかったし、薪や製材、紙の需要が高まるにつれて、森林消失にますますはずみがつきました。


1980年代の終わりには、世界の森林は推定で年間1700万ヘクタールの割合で減少しました。


モーリタニアやエチオピアなどのような国々では、木の生えた地域はほとんどなくなってしまいました。


これと密接に関連して、風や水の浸食によって表土が流出し、それにともなって土地が劣化しました。


第三世界全体に広がった森林消失と過放牧も、広範囲にわたる土地の劣化の原因となっています。


毎年、およそ600万ヘクタールの土地が荒廃にさらされて、生産能力を失い、不毛の土地と化しています。


化石燃料の燃焼によって大気中に放出された炭素の量は1980年代を通じてこれまでにない高水準を示し、90年にはほとんど60億トンに達しています。


雇用の面では、国際労働機関(ILO)によると、経済活動人口はこの10年間に19億6000万人から23億6000万人に増えたといいます。


しかし、雇用はいくつかの地域では著しく増えましたが、第三世界では新しい雇用機会は新規参入者の数に追いつかず、そのためこの主要な経済指標を低調なものにとどめています。


株価を基準にとるなら、1980年代は画期的な10年となりました。


ニューヨーク株式市場の投資家にとっては、87年10月のような例外はあるものの、概してそのポートフォリオの価値はとんとん拍子に高まりました。


優良500銘柄からなるスタンダード・アンド・プア・インデックスによると、株価はこの10年間で3倍近くにはね上がったのです。


機関投資家も個人投資家もどちらも、利益を得ました。


東京株式市場の株価の高騰ぶりはそれ以上でした。


こうした世界経済の基本的指標と、地球環境の健全さを評価する指標は、これ以上は考えられないほどの対照を示しました。

おそらくレントゲン検査の結果、肺気腫だったのでしょう。


それ以外にとくに悪いところはなく、医者も説明の仕方が不十分だったのでしょう。


軽い気持ちで


「肺が黒くなってきている。これから気をつけなければいけない」


・・・という意味でいったのだと思いますが、患者さんのほうは


「あんたの肺は真っ黒だ。これは治らない」


・・・といわれたと思い、ショックを受けてしまったのです。


それでなくても人間80歳を過ぎれば、いくら気にするなといわれても、死について考えざるをえない。


肺が黒いといわれたことで心に大きな不安ができれば、そのことに意識が集中してしまいます。


このような心理状態がいちばん健康を損ねるのです。


そこで私は


「心配はありませんよ。


年齢と同じくらい肺も年をとっているだけです。


まだ何年でももちますよ」


・・・といいました。


医師の一言は患者さんにとって、ときに神の一言なのです。


医師の軽い一言が、患者さんにとっては心を砕く巨大な岩石にもなりかねないのです。

物事をなんでも前向きによいほうへととらえる。


こういう思考態度をもつ人も気のバランスがとれています。


ただ、難病にかぎらず病気の人は、なかなかプラス思考ができないものです。


そういう人たちは「あきらめる」「忘れる」「人のために尽くす」の3つのどれかを実行されたらよいと思います。


なぜかといえば、治った人はみなそうなのですから。


実行すればすべてが必ずよい方向に向かっていくのです。


では患者さんのよきパートナーとしての医者はいったい何をすればよいのか。


私は気づきの手助けだと思っています。


具体的には、医師の役目は患者さんにたえず「病気の治ったイメージを与えること」だと私は思っています。


それによって患者さんが「治る」という意識をもてれば、それが何よりも効果のある治療になりうるのです。


たとえばこんなことがありました。


「私の肺は真っ黒だとよその先生にいわれたんです。


私はもうこの年ですが、まだまだしたいことがいっぱいあるんです。


肺が黒くなったらもうダメなんですよね」


80歳を過ぎたご老人です。


長年実業家として活躍してきて、まだ現役社長として陣頭指揮をとっている人です。


「肺というのは年をとればだれだって、だんだん黒くなるものですよ。


何も心配することはありません」


私はこう答えました。


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