おそらくレントゲン検査の結果、肺気腫だったのでしょう。
それ以外にとくに悪いところはなく、医者も説明の仕方が不十分だったのでしょう。
軽い気持ちで
「肺が黒くなってきている。これから気をつけなければいけない」
・・・という意味でいったのだと思いますが、患者さんのほうは
「あんたの肺は真っ黒だ。これは治らない」
・・・といわれたと思い、ショックを受けてしまったのです。
それでなくても人間80歳を過ぎれば、いくら気にするなといわれても、死について考えざるをえない。
肺が黒いといわれたことで心に大きな不安ができれば、そのことに意識が集中してしまいます。
このような心理状態がいちばん健康を損ねるのです。
そこで私は
「心配はありませんよ。
年齢と同じくらい肺も年をとっているだけです。
まだ何年でももちますよ」
・・・といいました。
医師の一言は患者さんにとって、ときに神の一言なのです。
医師の軽い一言が、患者さんにとっては心を砕く巨大な岩石にもなりかねないのです。