おそらくレントゲン検査の結果、肺気腫だったのでしょう。


それ以外にとくに悪いところはなく、医者も説明の仕方が不十分だったのでしょう。


軽い気持ちで


「肺が黒くなってきている。これから気をつけなければいけない」


・・・という意味でいったのだと思いますが、患者さんのほうは


「あんたの肺は真っ黒だ。これは治らない」


・・・といわれたと思い、ショックを受けてしまったのです。


それでなくても人間80歳を過ぎれば、いくら気にするなといわれても、死について考えざるをえない。


肺が黒いといわれたことで心に大きな不安ができれば、そのことに意識が集中してしまいます。


このような心理状態がいちばん健康を損ねるのです。


そこで私は


「心配はありませんよ。


年齢と同じくらい肺も年をとっているだけです。


まだ何年でももちますよ」


・・・といいました。


医師の一言は患者さんにとって、ときに神の一言なのです。


医師の軽い一言が、患者さんにとっては心を砕く巨大な岩石にもなりかねないのです。

物事をなんでも前向きによいほうへととらえる。


こういう思考態度をもつ人も気のバランスがとれています。


ただ、難病にかぎらず病気の人は、なかなかプラス思考ができないものです。


そういう人たちは「あきらめる」「忘れる」「人のために尽くす」の3つのどれかを実行されたらよいと思います。


なぜかといえば、治った人はみなそうなのですから。


実行すればすべてが必ずよい方向に向かっていくのです。


では患者さんのよきパートナーとしての医者はいったい何をすればよいのか。


私は気づきの手助けだと思っています。


具体的には、医師の役目は患者さんにたえず「病気の治ったイメージを与えること」だと私は思っています。


それによって患者さんが「治る」という意識をもてれば、それが何よりも効果のある治療になりうるのです。


たとえばこんなことがありました。


「私の肺は真っ黒だとよその先生にいわれたんです。


私はもうこの年ですが、まだまだしたいことがいっぱいあるんです。


肺が黒くなったらもうダメなんですよね」


80歳を過ぎたご老人です。


長年実業家として活躍してきて、まだ現役社長として陣頭指揮をとっている人です。


「肺というのは年をとればだれだって、だんだん黒くなるものですよ。


何も心配することはありません」


私はこう答えました。


「元気そうじゃないですか、どうしたんです?」


すると彼女はこういったのです。


「先生、もうあきらめちゃった」


検査をしてみると、炎症の程度をあらわすCRPの値が、帥というリウマチで最高の数値だったのがマイナスになっている。


「治りたい、治りたい」と、それだけを願ってもあれだけ治らなかった人が、あきらめたら逆に治ってしまったのです。


ある人は相当症状が悪いはずなのに通ってこなくなった。


久しぶりに来たので事情を聞いてみると、孫が生まれたそうで「その世話で忙しくて忙しくて、病院に行くのなんか忘れてしまった」というのです。


薬もずっと飲んでいないといいます。


この人も検査してみると、劇的に快方へ向かっていました。


また、自分の病気そっちのけで、人のために尽くすことで、快癒を果たした人もいます。


ともかく病気はどんな難病も「あきらめる」「忘れる」「人のために尽くす」の3つを徹底すると、不思議なほどによい結果を生じさせる。


この3つに共通するのはいったい何なのでしょうか。


病気をつくるエネルギーを他のものに転換したのです。


その結果、自分の気持ちが楽になって世の中が素敵に見えてきて、毎日わくわく生きられるようになったのではないでしょうか。


すっかり明るくなった患者さんを見ていて、私はそう思うようになりました。


このような患者さんの気を測定してみると、失われていたバランスが見事に回復しているのです。


もうひとつ、気を測定していてバランスのとれる心理状態があります。


それはプラス思考の状態です。


気のバランスをとるにはどうすればよいのでしょうか。


それは病気になった人が治っていく過程から逆算して知ることができます。


私の経験によれば難病が治るケースは次の3つしかありません。


第一に「病気をあきらめた人」、第2に「病気を忘れた人」、第3に「人のために尽くした人」です。


・・・結論からいえば、病気にエネルギーを使わなくなってしまった人たちなのです。


多くのリウマチ患者さんを診ていて「この人は絶対に治らないだろうな」と思われる人がいました。


症状も悪ければ検査結果も最悪。


そのうえ、治りたい気持ちが人一倍強く、来るたびに「治せ、治せ」と鬼のような形相でせがむ。


難病だけに医師としてこんなつらいことはありません。


正直いって、会うのがつらかったのです。


その患者さんがしばらく来ないと思っていたら、久しぶりにやってきました。


彼女の顔を一目見て私は驚きました。


顔つきがまるで変わっているのです。


穏やかで明るくて笑みさえ浮かべています。


これが、「学校用強化ガラス」の科学的仕組み。

しかし、ニ次加工をするのでどうしてもコストはかさみます。

厚さ4ミリのもので、施工代込みで1平方メートル当たり約1万2千円。

ふつうの板ガラスの2倍強です。

しかし、旭硝子は

「防球ネットを張ったり、その補修費用を考えると、そう高いものとはいえないのではないか」

・・・と説明しています。

事実、この15年間で年率30%近いペースで売り上げが伸びているといいます。

ガラスの両面に形成される圧縮応力は、しかし、ガラスの表面から6分の1の深さまでしか及ばないものです。

「学校用強化ガラス」は、厚さ4ミリの場合がほとんど。

ですから、0・67ミリの深さまでです。

そのため、ガラスに何かが当たってそのキズが、深さ6分の1以上に達すると、ガラスは割れてしまうのです。

ただし、表面に圧縮応力が与えてあるので、破片は鋭角でなく粒状になります。

こうして、人体に突き刺さる確率がぐっと低くなるというわけです。

渋沢栄一と益田孝は大蔵省と協議の上、とりあえず強引に日本から香港領事館へ日本銅貨を送ることにしました。


そこで旧、厘銅貨5千円、ついで5銭と10銭小銀貨5000円を香港領事館宛に送り、三井物産社員をこれにつき添わせ派遣しました。


そのときつき添って香港にきた三井社員は執行弘道です。


彼は元来外務省にいた人で、明治9年11月から約1年間、厘門領事館に勤務していた中国通です。


明治10年末、三井物産香港支店設立の動きとともに、外務省から三井に移ってきたのです。


そして翌明治11年初頭早々、香港に到着して、日本から送られてきた第2回分の貨幣として、貿易銀1万円と少額銀貨5000円を受けとります。


こうして日本政府は着々と既成事実をつくる一方、安藤領事は寺島外務卿の命令をうけ、香港総督に対し日本銀を香港通貨として認められるよう働きかけたのです。


今で言う物流センターのような働きをしたわけですね。


ここで香港政庁がどうして香港通貨を鋳造しなかったのかという疑問が当然でてくるわけですが、そうした疑問に答えるため一言ふれておくと・・・


たしかに香港には通貨鋳造のために1866年造幣局を設立し、この年の4月から作業を開始したのでした。


この設立の費用40万ドル、しかも1か年の経費が7万ドル、という多額の経費をかけたにもかかわらず、鋳造の成績はかんばしくなかったのです。


そこで2年後の1868年には造幣局を閉鎖し、鋳造機械はこれを6万ドルで日本に売渡したのです。


この機械が大阪の造幣局に入ることになるわけですが、いずれにしても当時香港はそれ自身の香港通貨をもっていなかったのです。


相かわらずメキシコドルが主要な決済手段になっていました。


そこへ貿易銀をもって香港法貨とすべく割り込もうとしたのが日本です。

板ガラスは、珪酸、ソーダ灰、石灰石などを高温で溶かした後に冷やして製造します。

この「学校用強化ガラス」の化学組成も、ふつうの板ガラスと全く変わりません。

というより、いったんつくった、ふつうの板ガラス(元板)を物理的にニ次加工した製品なのです。

まず、元板を、ドロドロの液体状になる寸前、具体的には摂氏700度で加熱します。

その後、常温の空気を均一に吹きつけ急冷するのです。

このニ次加工を施すと、ガラスの両面は焼きが入った状態になり、圧縮応力(身をちぢめようとする力)が形成されます。

ガラスに何かが当たったときは、ガラスを破損しようとする引張応力(引っぱろうとする力)が働きますが、あらかじめ圧縮応力を与えてあるので両者は打ち消しあい、破損しにくくなるのです。

結果的に、強度の高いガラスになるわけです。

これを防止しようと、旭硝子、日本板硝子など板ガラスメーカーが15年前ごろから販売しているのが「学校用強化ガラス」です。

ふつうの板ガラスに比べて3~5倍の強度をもっているので、割れにくいのです。

軟球やサッカーボールをぶつけても、よほどのことがない限り割れません。

もし割れても、破片は細かい粒状になるので、大ケガをしなくてすむのです。

この強化ガラスは、特に画期的な製品、というわけではありません。

原理や製法は、それこそ150年も前からわかっていたのです。

昭和の終わり頃になって需要が出てきたから、装置産業の大量生産方式になじむようになり、手ごろなコストになった、ということです。

授業参観や、入学式、運動会などで、学校を訪れて「おやっ?」と思った人がいるに違いないでしょう。

一昔前まで校庭に面した校舎や体育館の窓に必ず張られていた防球ネットがなく、ガラスが素通しになっているからです。

「しょっちゅうガラスが割れるのでは......」といった心配は無用。

防球ネットを張る必要のない「学校用強化ガラス」が使われているからです。

割れると、はめ替えにおカネがかかるという理由だけで強化ガラスを採用しているのではありません。

児章生徒の安全対策が第一の目的です。

学校でのガラスの破損による傷害事故は、ひんぱんに起こります。

ボールが当たって割れたガラス片が突き刺さったり、休み時間にクラスメートと廊下でふざけ合っているうちにガチャンとやったり・・・。


板硝子協会の推計によると、全国で年間約1万1千件にものぼり、1時間に1.26人の割合で子供たちがケガをしているということです。

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